LG化学対SKイノベーションのバッテリー訴訟戦
LG化学とSKイノベーションが電気自動車バッテリーと関連した訴訟戦を国内外で繰り広げている。関連分野のグローバル市場でLG化学は4位の占有率を、SKイノベーションは9位の占有率を占めているだけに関連業界で成り行きが注目されている。
このような訴訟戦は、今年4月、LG化学が米国国際貿易委員会(ITC)とデラウェア州(SKイノベーションバッテリー事業の米国法人の所在地)地方裁判所にSKイノベーションに対する輸入禁止、営業秘密侵害禁止及び損害賠償を請求したことによって始まり、これに対してSKイノベーションは今年6月ソウル中央地方裁判所にLG化学に対して名誉毀損による損害賠償訴訟等を請求した。
続いてSKイノベーションは、米国国際貿易委員会(ITC)にLG化学及びLG電子を特許侵害で提訴し、LG化学も米国国際貿易委員会(ITC)にSKイノベーションを特許侵害で提訴した。これにより米国国際貿易委員会(ITC)は、両社の国内生産設備及び関係者に対する調査を直接進行している。
このような訴訟戦に加え、最近SKイノベーションは、LG化学が米国国際貿易委員会(ITC)に提訴した特許侵害訴訟は過去の不提訴合意を違反したものであるという理由に、訴の取下げ及び損害賠償請求訴訟をさらに提起した。
両社は、2011年~2014年にもバッテリー関連紛争を行ったことがあり、裁判所の最終判決前に合意により訴訟が終了し、この過程で更なる争訟はしないという内容の合意文が交わされたことがある。
これに先立ち、LG化学は、SKイノベーションに対して米国国際貿易委員会(ITC)に計5件の特許侵害訴訟を提起しており、ここには分離膜関連3件の特許が含まれている。そのうち一部の特許が、2014年に紛争の対象となった特許の“ファミリー特許”に該当するというのが争点である。
SKイノベーションは“対象特許で国内・国外で争訟しない”と明示した合意を違反したと主張し、LG化学は、当時問題となった特許の“ファミリー特許”ではあるが、属地主義の原則上、米国特許は別途の権利に該当すると主張している。
両社いずれの主張にも一理あるとされ、裁判所の最終判断を待つべきものと思われる。また、両社特許侵害の可否だけでなく、ファミリー特許と関連した不提訴合意が争点として追加されただけに、特許業界でも訴訟結果の成り行きを注目する必要があると判断される。