米国テキサス州東部地方法院は今年2月、サンスン電子が(株)KIPの特許技術を故意に侵害したとし2億ドルの賠償を命ずる判決を下した。
当該特許はダブル-ゲートフィンフェット(Double-gate FinFET)と関連した技術であり、イ・ジョンホ教授(ソウル大学)が2001年に発明して韓国と米国で特許を獲得した状態にある。この技術を使用しているインテル社及びアップル社は既にライセンシング協議を通じて使用料を支払っており,この関連特許は、韓国科学技術院(KAIST)の子会社であって特許専門企業のKIPが所有し管理している。
イ教授側は、サンスン電子に技術内容を説明し持続的に使用料の合意を要請したが、サンスン電子側がそれを受け入れなかったという立場であり、裁判部は、このような過程を通じてサンスン電子がイ教授に当該技術に対する説明だけを聞き使用料は支払っていない状態で故意に特許を侵害したと判断した。
サンスン電子は、控訴を通じてサンスン電子の固有技術であることを認めてもらうとの立場であり、これとは別に米国特許審判院に特許再審査を申請し、現在抗告審が進行中にある。
これと関連してサンスン電子は、米国特許審判院に争点特許に対する無効審判を2回申請したが全て棄却となったことがあり、韓国特許庁においても無効審判が棄却となったため特許の無効可能性はそれほど高くないと判断されるが、現在係属中の再審査の場合、審査局において無効意見が出ている状態であり、特許が最終的に無効となった場合は侵害訴訟にも影響が出るため、最終決定の結果が注目されている。