韓国特許法院2020.05.15.宣告2019ホ7740判決は、不使用取消事件における出願人の商標使用の意思について判示しました。該当事件は、という商標で‘傘、ビーチパラソル’を販売しようとする原告が、既に該当指定商品に関する商標権者である被告を相手に登録商標が出願日当時に商標使用の意思無しに出願された商標であって、商標法第3条、第117条第1項第1号により無効と主張しつつ登録無効審判を請求しました。特許審判院は、被告は登録商標をファッション産業分野で使用するために出願し登録を受けたと見なされるとして原告の請求を棄却する審決を下し、それに対して原告が不服し、当該訴を提起した事案です。
上記事件において裁判部は、商標登録を受けようという者は商標使用の意思があってからこそ商標法第3条により自分の商標の登録を受けることができ、商標使用の意思がない場合は商標法第54条により登録を受けることができず、登録を受けたとしても商標法第117条第1項第1号によって無効であるという規定を確認しつつ、商標法は商標の使用によりその商標に化体した業務上の信用を保護しようとする目的があるので、上記規定はいわゆる商標ブローカーなどによる商標権の乱用を防止するための趣旨であるという点を確認した後、ただし商標に対する使用の意思は主観的・内面的意思なので外形的に表れる事情によって客観的に決定すべきであり、これを過度に厳格に要求すれば登録主義の根幹を損傷し得るとし、“商標法は商標登録出願書に商標使用の意思に関する記載・疎明を要しない点、審査官は拒絶事由がないならば商標登録決定を下すべきだと規定している点(商標法第68条)、商標法は不使用取消により商標の使用を間接的に強制する以外には商標の不使用による無効規定を設けていないという点などを鑑みれば、登録商標が出願人の商標使用の意思なしに出願され登録されたという点は軽率に推定されてはならず、客観的な証拠に基づき厳格かつ慎重に認められなければならない”と判示しました。
当該事案において被告は、以前、指定商品を‘傘、ビーチパラソル‘と定めた先登録商標らを出願し登録を受けたものの、その各指定商品のうち ‘傘,ビーチパラソル’等に対して不使用取消審判が確定された事実もありましたが、裁判部は、そのような事情だけでは被告が使用意思なしにひたすら商標を先占しようとする目的で出願したと断定することは難しいとみなし、他の諸事情を総合して原告の請求を棄却しました。