韓国特許庁が発表した2020年5月の知的財産統計の動向によれば、2020年1月から5月までの特許、実用新案、デザイン、商標の累積出願件数は前年同期対比1.4%増加した205,569件、登録件数は前年同期対比3.3%増加した127,917件、審査請求は前年同期対比14.5%増加した82,221件、審判請求は前年同期対比10.4%減少した3,334件と集計されました。
このうち、審査結果によっていくらでも変動可能な登録件数を除き、出願件数からすれば実用新案及びデザインの出願件数が各々17.5%、7.1%減少したのに対し、特許及び商標の出願件数は各々0.2%、5.2%増加し、対照的な様相を示しています。新型コロナウィルス感染症の影響にも拘らず、特許及び商標出願件数は昨年より増えましたが、今年3月基準の特許と商標の累積出願件数が各々前年同期対比1.8%、17.3%と増加したことに比べれば、コロナの余波の本格化により年初の傾向が下がったと見なすべきだと思います。
知的財産権件審判請求については、10%以上減少したものと示されましたが、統計資料だけではどの種類の審判が減ったかを確認するのは困難で、どうやら出願人の立場としては出願に比して高い費用を要する審判に対する負担も作用したのではないかと考えられます。
その反面、特許及び実用新案の審査請求件は前年同期対比なんと15%近く増加したと示されました。これは審査請求期間が既存の5年から3年に短縮されたことと伴い、既に出願が行われた事件をはじめ、優先審査請求による一足早い知的財産権の確保に対する出願人の関心と投資はより増えたものと思われます。
韓国特許庁ホームページ「2020年5月の知的財産統計動向」より