1.2022年2月18日付にて施行される法律の主要改正内容
(1)特許料及び手数料の減免事由の追加、不正減免者への制裁の強化
改正特許法では、COVID-19のような国家的災難で困難な状況にある中小企業などの負担を緩和するために、それを特許料及び手数料減免事由に追加すると共に、不正減免者に対しては減免額の2倍を徴収できるようにする一方、一定の期間減免対象から除外するなど、制裁を強化した。
(2)審判手順における審判長の調整回付条項の新設
改正特許法では、審判の長期化による中小企業などの困難を解消するために、次のような規定を導入した。審判長が必要であると判断した場合、当事者の同意を受けて審判手順を中止し決定により該当事件を調停委員会に回付できるように根拠条項を設け、併せて、調整回付の実効性の確保のために、記録送付、調整成立時の審判請求取下みなし、書類搬出の例外に関する規定を新設した。
(3)職権補正に対する無効みなし規定
改正特許法では、審査官の誤った職権補正により出願人が意図しなかった権利が発生することを防止するために、職権補正の範囲を出願人による補正と同様に、出願書に最初に添付された明細書・図面の範囲に明示的に制限すると共に、上記範囲から外れたり、明白に誤っていない事項を対象とする職権補正を、始めからなかったものとみなす職権補正無効みなし規定を導入した。
2.2022年4月20日付にて施行された法律の主要改正内容
(1)分離出願制度の導入
以前は、拒絶決定不服審判が進められ、審判で負けた場合、一部が登録可能であっても特許全体が拒絶となり、登録可能な請求項があっても特許を受けることができなかった。しかし、改正法下では、出願人の権利獲得の機会を拡大するために、審判において拒絶決定が維持(棄却審決)されても登録可能な請求項のみを区別して出願する分離出願制度が新しく導入された。
(2)再審査請求期間及び拒絶決定不服審判請求期間の延長
特許拒絶決定後、出願人に充分な審判請求期間を提供することで、請求期間を延長したり、請求の理由を補正するなどの不要な行政処理を最小化できるように、拒絶決定不服審判請求期間及び再審査請求期間が従前の30日から3ヶ月に延長された。